
単語は分かるはずなのに、英語が聞き取れない…
何でだろう??



音声変化を理解すると解決するよ!
文法や英単語を知っていてもリスニングは難しく感じますよね。
その理由の多くは英語特有の音声変化にあります。
今回はそんな英語の音声変化について解説していきます!
音声変化とは?
そもそも音声変化とは何かから説明しますね!
英語の自然な話し言葉では、一つ一つの音が明瞭に発音されるのではなく、その周囲の環境によってさまざまな変化が起きます。
これは発音を滑らかにするために起こるもので、大きく分けて、連結・同化・脱落などがあります。
これらを知っておくと、今まで聞こえなかった音が聞こえるようになったり、音読もスムーズにできたりするので、ぜひ最後まで理解して練習しましょう!
連結現象
複数の語が区切らずにつなげて話されることを連結(リンキングまたはリエゾン)といいます。
通常、前の語の末尾の子音と次の単語の母音が滑らかにつなげて発音されます。
いくつか種類があるので、見ていきましょう。
r連結
語末の/r/が次の単語の母音と連結するものです。
例:far away→far͡ away [fɑːrəwei] ファーラウェイのように発音される。
その他の例
clear͡ up
for͡ example
more͡ and more
通常、文法的に区切りがある場合は連結されない。
例:I don’t care if you do it.(この場合、careとifの連結は無し)
n連結
語末の/n/が次の単語の母音と連結されるものです。
鼻音の/n/を長く次の母音と連結させて発音すると自然になります。
例:run away→run͡ away [rʌnəwei] ランナウェイのように発音されます。
その他の例
an͡ hour
turn͡ over
an͡ apple
その他の連結
r連結やn連結以外にも、滑らかな発音にするために子音と母音が連結することもあります。
/p/+母音 keep on
/b/+母音 disturb it
/t/+母音 put it on
/d/+母音 stand up
/k/+母音 pick it up
/g/+母音 dig out
/f/+母音 knife and fork
/v/+母音 give up
/θ/+母音 worth it
/ð/+母音 with a friend
/s/+母音 dress up
/z/+母音 gaze at
/ʃ/+母音 push it
/tʃ/+母音 such as
/dʒ/+母音 change it
/m/+母音 come on
/ŋ/+母音 king and queen
/l/+母音 tell it
練習問題
音声を聞いて次の括弧に入る語句を答えましょう。
- Next, ( )the eggs with the milk.
- Why did you( )from me at that time?
- Where did you find( )nice dress?
- Are we supposed to( )for the party?
- She is ( )the sales department.
同化
隣り合う2つの音の一方が他方の影響を受けてそれに似た音になったり、双方に似通った音に変化する現象を同化といいます。
この中で、相手や話し手の状態によりたまたま起こるものを偶発同化といい、歴史的過程によって確立され、発話の状態や相手にかかわらず起こるものを確立同化といいます。
確立同化
名詞の規則複数形を表す-(e)s
books、eyes、dishesなどのように、名詞の複数を表す-(e)sは名詞の語末にくる音の種類によって[s, z, iz]の3つの発音があります。
語末の音が無声音の場合は[s]、有声音の場合は[z]、語末に/s/、/z/、/ʃ/、/ʒ/、/tʃ/、/dʒ/がくる場合は[iz]と発音されます。
[s]
desks
ships
weeks
[z]
dogs
names
ways
[iz]
places
classes
glasses
動詞の三単現を表す-(e)s
makes、sings、watchesなどのように動詞の「三人称・単数・現在」を表す-(e)sの発音の場合も、複数を表すものと同じ発音のルールになります。
[s]
stops
drinks
cooks
[z]
arrives
calls
drives
[iz]
touches
pushes
misses
動詞の規則変化を表す-(e)d
passes、lived、wantedなどのように、動詞の規則変化を表す-(e)dの発音には、[t, d, id]の3種類があります。
動詞の語末の音が/t/以外の無声音で終わる時は、[t]、/d/以外の有声音または母音で終わる時は[d]、/t/か/d/で終わる場合には[id]と発音されます。
[t]
missed
rushed
laughed
[d]
seemed
saved
enjoyed
[id]
wanted
needed
seated
その他の確立同化
有声音化
[θ]→[ð]
worth→worthy
south→southern
breath→breathe
[s]→[z]
goose→gooseberry
solve→resolve
serve→deserve
無声音
[z]→[s]
news→newspaper
[b]→[p]
describe→description
[v]→[f]
five→fifth
偶発同化
/t, d, s, z/+/j/の場合
meet youのように、meetの語末の[t]とyouの語頭の[j]が[miːtʃu]ミーチューみたいな発音になることがあります。
- /t/+/j/=/tʃ/ don’t you [dount+juː]→[dountʃu]
- /d/+/j/=/dʒ/ did you [did+juː]→[didʒuː]
- /s/+/j/=/ʃ/ this year[ðis+jiər]→[ðisʃiər]
- /z/+/j/=/ʒ/ as yet[əz+jet]→[əʒet]
動詞(助動詞)+toの変化
カジュアルな会話や歌ではwant toがwanna、going toがgonnaなどと発音されることがありますが、これは脱落や同化など色々な音声変化が組み合わさって起こる現象です。
want to→wanna ワナ
going to→gonna ガナ
got to→gotta ガラ
have to→hafta ハフタ
has to→hasta ハスタ
had to→hadta ハドゥタ
ought to→oughta / oughda オータ / オーダ
used to→usta ユースタ
/t/の弾音化
waterのように/t/が母音の間に来ると、有声化して日本語語の「ラ行音」や[d]のような音になります。この現象を/t/の弾音化といい、アメリカ英語ではよく見られます。
強音節+/t/+弱音節
butter(バラー)
matter(マラー)
letter(レラー)
bitter(ビラー)
city(シリー)
party(パーリー)
※( )内はそれに近い読み方の例です。
鼻音化
penやfineなど、母音が後の母音の影響を受けて鼻音化することがあります。
鼻音化とは簡単に言うと鼻声です。
研ナオコさんの「なまたまご〜」の感じと言えば分かりますかね(笑)
練習問題
音声を聞いて次の括弧に入る語句を答えましょう。
- He ( )live on this street.
- Do you( )come with us, John?
- Are you( )stay here this weekend?
- You don’t ( )go if you don’t want to.
- She( )see the doctor at once.
脱落
話し言葉では、強勢の無い音節の母音が発音されなかったり、隣り合う2つの子音が同じ音か調音位置が近かったりすると、前の子音が発音されずに脱落してしまうこともあります。これを脱落(リダクション / エリジョン)といいます。
母音の脱落
強勢の無い音節(弱音節)の母音は、弱くなったり不明瞭になったり脱落して発音されなくなることがあります。
about[əbáut]→[báut]
certain[sə́ːrtən]→[sə́ːrtn]
appoint[əpɔ́int]→[pɔ́int]
あいまい母音の/ə/「シュワ」の発音は脱落することが多い。
子音の脱落
postman、bookcaseのような同一単語内、もしくはhot tea、good dayのようにまとまった意味を表す句の単語間で、2つ以上の子音が連続する場合にはその中の子音の1つが脱落することがあります。
同一単語内
stepmother、campfire、submarine
単語間の場合
brush shoes、hot tea、night time
練習問題
音声を聞いて次の括弧に入る語句を答えましょう。
- ( ) is reserved for my daughter.
- There were ( ) in the sky.
- My mother gave me ( ).
- We’ve never had ( ).
- The temple has a beautiful ( ).


まとめ
さて、今回は音声変化について解説しました。
まずは、「こんな変化があるんだ」と知ることが大事です。
後は何度も聴いて発音することが大事です。
参考音声を聞いて音読練習を繰り返しましょう!