
なんでgoの過去形ってwentなの?



Nice question!
とっても面白い質問だね!
英語を学んでいると、ふと「なんで?」と思うことがありますよね。
今回紹介するのは、”go”の過去形がなぜ”went”になるかということです。
学校の先生に理由を教えてと聞いても、「それは覚えるしか無いよ」と一蹴されそうな話題ですが、深堀ってみるととても面白いことが分かります。
英語の豆知識を手に入れたい人
今後英語を教えることがある人
英語学を専攻する人
動詞の活用について
まず初めに、動詞の活用の基本についてみていきましょう!
規則動詞のルールをまとめると以下の通りになります。
規則動詞のルール
- 基本形+-ed をつける
例)- work → worked
- play → played
- clean → cleaned
- 語尾が e で終わる場合は、-d をつけるだけ
例)- love → loved
- bake → baked
- 子音字+yで終わる場合は、yをiに変えて-edをつける
例)- try → tried
- carry → carried
- 短母音+子音字で終わる動詞は、その子音字を重ねてから-edをつける(アメリカ英語では特に短い単語に多い)
例)- stop → stopped
- plan → planned
不規則動詞のルール
変化のパターンが決まっていないので、個別に覚える必要がある
代表例:
- go → went → gone
- come → came → come
- see → saw → seen
- take → took → taken
のように、書いてあることが多いですが、いくつかのパターンはあります。
代表的な不規則動詞の活用表
原形 | 過去形 | 過去分詞 | 意味 |
be | was/were | been | 〜である、いる |
become | became | become | 〜になる |
begin | began | begun | 始める、始まる |
break | broke | broken | 壊す、壊れる |
bring | brought | brought | 持ってくる |
buy | bought | bought | 買う |
catch | caught | caught | 捕まえる |
come | came | come | 来る |
do | did | done | する |
drink | drank | drunk | 飲む |
eat | ate | eaten | 食べる |
fall | fell | fallen | 落ちる |
feel | felt | felt | 感じる |
find | found | found | 見つける |
fly | flew | flown | 飛ぶ |
forget | forgot | forgotten | 忘れる |
get | got | gotten/got | 得る、〜になる |
give | gave | given | 与える |
go | went | gone | 行く |
have | had | had | 持っている、〜がある |
hear | heard | heard | 聞く |
know | knew | known | 知っている |
leave | left | left | 去る、出発する |
lose | lost | lost | 失う |
make | made | made | 作る |
meet | met | met | 会う |
put | put | put | 置く |
read | read | read | 読む |
run | ran | run | 走る |
say | said | said | 言う |
see | saw | seen | 見る |
sell | sold | sold | 売る |
send | sent | sent | 送る |
sit | sat | sat | 座る |
sleep | slept | slept | 眠る |
speak | spoke | spoken | 話す |
stand | stood | stood | 立つ |
take | took | taken | 取る |
tell | told | told | 教える、伝える |
think | thought | thought | 考える |
understand | understood | understood | 理解する |
write | wrote | written | 書く |
feel-felt-feltやfind-found-foundのように過去形と過去分詞が同じものが多く、それ以外としては、put-put-putやcut-cut-cutなど変わらないものもあります。
また、come-came-comeやrun-ran-runなど過去形のみ違うパターンもあります。
こうしてみると、不規則動詞ではありますが、ある程度のパターン化ができそうですよね?
では、問題のgoについてはどうでしょうか?
go-went-goneとなっていますね。
do-did-doneのようになっていれば、それぞれに関連性が見い出せますが、wentの場合はそうはいきません。
いかにも部外者のような印象が強いですよね…
それには理由があります。
次の章で解説していきます。
補充法
goの過去形がwentになる理由を説明するには、補充法(suppletion)について知る必要があります。



ホジュウホウ?



ちょっと難しいよね!
「現在」-「過去」-「過去分詞」のようなある枠組みの中で、いずれかの枠に全く異なる語源の形が入ることを補充法(suppletion)といいます。
「go」-「went」-「gone」を見ると分かるように、”went”だけ異質ですよね!
これは、goとは別の語源の形が入っているということになります。
wentはもともと”wend”(進む、向かう)という動詞の過去形、過去分詞形でした。
「wend」-「went」-「went」の枠組みから、過去形を取ってきて補充したことになります。
なので、「go」- 「*goed」-「gone」とはならなかったわけですね。
ここで注意しておくことは、goがあってそれの過去形をwentとして使おうと決めたというよりも、「行く」を表す単語が”go”で、「行った」を表す語は”went”とあって、それを我々の都合の良いように、「現在」-「過去」-「過去分詞」という枠組みに入れ込んだ結果「go」-「went」-「gone」になったと考えるほうが自然です。
補充法は他にも、形容詞の「原級」-「比較級」-「最上級」にも見られます。
「good」-「better」-「best」や「bad」-「worse」-「worst」なども有名な例です。
もっと際立った例は、be動詞です
「am」-「is」-「are」とすべて違う形をとっています笑
他にも、自動詞と他動詞を見ても、補充法はよく使われています。
まずは、補充法ではないものの例から
沸く wak-u
沸かす wakas-u
起きる okir-u
起こす okos-u
それぞれ同じような形だと分かりますね。
一方で、
死ぬ sin-u
殺す koros-u
だと全然違いますね。
ちなみに、「死ぬ」「殺す」に関しては、英語も「die」「kill」なので補充法です。
まとめ
さて、なぜ”go”の過去形が”went”なのか分かりましたか?
中学英語では、丸暗記させられるものも深ぼってみると理由があります。
英語の「なぜ?」に興味を持って調べてみると面白いです。
ぜひ、調べてみて下さい!
▼おすすめの書籍